阿刀田高さんと語らう【本当におもしろい小説】

多彩で知的な大人の読書会、文学と創造の世界をおおいに楽しもう


ひたすら小説を楽しむことを目的とし、その一方で日常での創造性を培うことをも願っています。小説は本来俗っぽいもの、あれこれと多角的に人の世を見つめ、人情や欲望を知り、それを数人で語り合うことにより、さらにおもしろく、思案が深くなり、プラスアルファが生じます。

私自身が一生をかけて楽しい小説を追い求めてきました。その経験がほどよく反映されることを願って講座を創ってみました。日本の作品、海外の作品、純文学も大衆小説もミステリーもあります。新しいもの、古いもの、エロチックもいといません。小説がお好きな方はもちろん、なにを読んだら楽しいのか少し戸惑っておられる方も。さあ、みんなで楽しみましょう。

阿刀田高

阿刀田高

阿刀田さんが選んだ小説を、阿刀田さんと味わう

作家として900編を超える小説を書き続け、人生、人間、恐怖やユーモアを綴るとともに、長きにわたり直木賞選考委員や日本ペンクラブ会長を務めてこられた阿刀田さんならではの視点や洞察で、小説をじっくり味わいます。

知的で創造的、大人の読書会を楽しもう

自分では選ばなかった小説に出会い、味わう。小説を通じて語り合い、様々な人間を知り、人生を知る。小説を思いっきり楽しむ大人の読書会です。「読書は大人の喜びだなとわかりました」「今頃ですが本好きになってきました。成長もしています」等の好評を受けての開催です。

おすすめする方

  • 多彩な作品に出会い、小説や読書をより楽しみたい方
  • 文学の豊かさ、面白さに触れ、魅力を堪能したい方
  • 初めての方も、これまでご参加の方もお楽しみいただけます

講師

阿刀田高

阿刀田高あとうだ・たかし

作家

昭和10年(1935年)東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業後、11年間、国立国会図書館に勤務。その後軽妙なコラムニストとして活躍した後、短編小説を書き始め、昭和54年『来訪者』で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞を、平成7年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。著書には『知っていますか』シリーズ、小説『闇彦』、『知的創造の作法』など多数。

2003年紫綬褒章、2009年旭日中綬章受章、2018年文化功労者顕彰。日本ペンクラブ第15代会長、1995年から2013年まで直木賞選考委員、2012年から2018年3月まで山梨県立図書館館長を勤めた。

主要著書


開催概要

日程2019年 10/19、11/16、12/21、2020年 1/18、2/15、3/14、4/18(すべて土曜日) 全7回
時間14:00-17:00(3時間)
定員25名
会場慶應丸の内シティキャンパス
参加費

agoraメンバーシップは講座参加費の割引と講演会の受講券がセットになったお得な制度です。詳しい内容はこちらをご覧ください。


講座内容


10月19日(土)14:00-17:00

第1回微笑と恐怖

飯沢 匡『座頭H』/曽野綾子『長い暗い冬』

私の好きな短編2つ。皮切りはこのあたりから。『座頭H』は笑いながら人間の不思議さを知る作品。『長い暗い冬』は遠い外国に赴任したサラリーマンの孤独を通して、深く迫ってくるものがある。


11月16日(土)14:00-17:00

第2回お市の方を知っていますか

谷崎潤一郎『盲目物語』

もっと美しいタイトルがほしい名作。織田信長の妹にして絶世の美人。浅井長政の妻となり、柴田勝家の妻となり、豊臣秀吉にも粉をかけられ、茶々を生み、徳川秀忠の妻を産み…戦国の悲運を一身に背負った女を描いて間然するところがない。大人のエロチシズムもある。


12月21日(土)14:00-17:00

第3回短編小説の誕生

芥川龍之介『羅生門』『秋』/コナン・ドイル『赤髪連合』

小説はどう創られるのか。短編小説を題材としてモチーフとテクニックを訪ねてみよう。『羅生門』では原点となった今昔物語の一話をそえ、説話から小説への道を見つめ、『赤髭連合』は典型的なシャーロック・ホームズの登場だ。アイデアはこんなところから生まれる。


1月18日(土)14:00-17:00

第4回ミステリーの名作

エラリ・クイーン『Yの悲劇』

推理小説は小説の本道ではないが、知的な遊びとしてまことしやかな非現実を論理的に示してくれる。それが想像と創造に役立つ。その代表作を読んでみるのも一興だろう。


2月15日(土)14:00-17:00

第5回魂の旅を訪ねて

遠藤周作『深い河』

前々回にこの作者の『沈黙』 を読んだ。映画もみんなで観て、多くの感想があった。同じ作家が最後に何を書いたのか。単純におもしろい小説ではないが、神とは何か、信仰とは何か、とりあえず覗いて、触れてみよう。


3月14日(土)14:00-17:00

第6回新しい作家を訪ねて

角田光代 『対岸の彼女』

この作家は今評判。必ずしも新しくないが、その直木賞受賞作はみずみずしい。構造的にはユニークだが、それも見どころ。女性の生き方が、現代に生きるむつかしさが、鮮やかに描かれて、うれしい。


4月18日(土)14:00-17:00

第7回自作を語って

阿刀田高『掌の哲学』『白い蟹』

余興のようなもの。せっかく当人が講師を務めているのだから、うちあけ話を少々。ユニークな知識を小説として読むのも一つのポイント。実存主義とは何か、歴史の秘話が現代になにを残しているのか・・・いやいや、それほど大層なものではない。


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