慶應MCC agora講座

平野昭さんと【系譜で読み解くクラシック音楽】

クラシック音楽ア・ラ・カルト、多彩な魅力を味わおう


【ハイブリッド】

丸の内キャンパス、オンライン(Zoom)いずれでも参加可能です。ただし今後の状況により【オンラインのみ】の開催となる場合があります。


交響曲、協奏曲、ソナタ、オペラ. . . クラシック音楽の魅力は実に多彩です。これらジャンルの豊かさが大きな魅力のひとつであるとともに、その様式と変遷をより詳しく知ることがさらなる魅力の探索、再発見にもつながることでしょう。

今回の講座では、クラシック音楽史を決定づけた3つの主要なジャンル、ミサ曲、協奏曲、変奏曲をとりあげます。代表的作品と作曲家にスポットを当て解説するとともに、たくさんの音楽を聴き、感じて、じっくり味わいます。クラシック音楽ア・ラ・カルト、ご一緒にクラシック音楽の多彩な魅力をさらに豊かに楽しんでまいりましょう。

平野 昭

平野 昭

たくさん聴いて感じましょう

音楽を聴きながら作品や作曲家をご紹介・解説していきます。どんな曲なのか、どんな特徴があるのか、ご自身で感じて味わい、さらに新たな聞き方や気づき方をもって、楽しみ方を広げてましょう。

対話しながら進めます

よくわからない、もっと知りたい、こう感じた、皆さんの素直な感情の動きこそが豊かな鑑賞の一歩です。皆さんの感想や疑問を大切に、対話しながら進めます。

おすすめする方

  • クラシック音楽の奥深さに触れ、魅力を堪能したい方
  • クラシック音楽史や作曲家について研究し、より深く楽しみたい方

講師

平野 昭

平野 昭ひらの・あきら

桐朋学園大学特任教授、静岡文化芸術大学名誉教授、音楽評論家

1949年、横浜生まれ。武蔵野音楽大学大学院音楽学専攻修了。研究領域は西洋音楽史と音楽美学。とくにドイツ圏の古典派とロマン派音楽の 様式研究および音楽受容史研究を中心とする。尚美学園短大助教授、沖縄県立藝術大学教授、静岡文化芸術大学教授を経て慶應義塾大学文学部教授(2015年定年退職)を歴任。
音楽評論活動では、毎日新聞、「音楽の友」「レコード芸術」レ ギュラー執筆。NHKのTVやFMクラシック番組等での解説者としても 活躍。日本音楽学会・国際音楽学会・18世紀学会各会員。


開催概要

開催形態ハイブリッド(丸の内キャンパスとオンラインのいずれも参加可能)
日程2021年 5/15、5/29、6/12、6/26、7/3、7/17(すべて土曜日) 全6回
時間9:30-12:30(3時間)
定員25名
会場慶應丸の内シティキャンパス
参加費

agoraメンバーシップは講座参加費の割引と講演会の受講券がセットになったお得な制度です。詳しい内容はこちらをご覧ください。


講座内容

ワークの内容は進行状況に応じて適宜調整されます


5月15日(土)9:30-12:30

第1回ミサ曲の系譜その1 音楽の誕生からバロックへ

ミサ聖祭は、イエス・キリストの最後の晩餐に由来し、ローマ・カトリックにおけるもっとも基本的な儀式です。この典礼で唱和される聖歌と歌唱法の発展こそ、西洋クラシック音楽の原点となりました。初期の単旋律聖歌グレゴリオ聖歌から、バロックへの発展まで、ミサ曲前半の様式変遷をたどりましょう。

  • 主な作曲家♪
  • ギョーム・ド・マショー(14c.)、ジョスカン・デ・プレ(15~16c.)、G.パレストリーナ(1525~94)、W.バード(1542~1623)、そしてJ.S.バッハ(1685~1750)まで

5月29日(土)9:30-12:30

第2回ミサ曲の系譜その2 古典派とレクイエム

荘厳な響き、秩序、拡がり、ミサ曲、特にレクイエムの持つ壮大なる美しさは、私たちを魅了してやまないクラシック音楽の原点とも言えましょう。
ミサの典礼文には通常文と固有文があり、主日(日曜日)に行われる通常のミサ(通常文の5章)に対し、死者を追悼する葬儀や記念日(仏教でいう法事、周忌)では特別な典礼文(固有文)が用いられます。「主よ、永遠の安息を与え給え(レクイエム・エテルナム・ドナ・エイス・ドミネ)」と始まり、一般に最初の言葉から「レクイエム」と呼ばれます。時代や宗派を超え、いまなお美しく響き続ける祈りの音楽を系譜で眺めます。

  • 主な作曲家♪
  • モーツァルト、ベルリオーズ、ヴェルディ、自由な形式のブラームスの〈ドイツ・レクイエム〉、ブリテンの〈戦争レクイエム〉

6月12日(土)9:30-12:30

第3回協奏曲の系譜その1、ピアノ協奏曲

クラシック音楽の諸形式の多くがバロック時代に生まれ発展しました。そのひとつが協奏曲(コンチェルト)です。独奏楽器(コンチェルティーノ)と合奏オーケストラ(リピエーノ)の対峙、迫力と個性が際立ちます。

いつも同じような素材を扱うリピエーノと次々に新しいエピソードを展開するソロが交互に現れるリトルネロ形式。これに代わって現れ、音楽内容を一変させたソナタ形式。ピアノ協奏曲に注目し、系譜で発展と魅力を紐解きましょう。

  • 主な作曲家♪
  • J.S.バッハの協奏曲と協奏曲様式の独奏曲《イタリア協奏曲》、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ショパン、リスト、ブラームスからラフマニノフ、プロコフィエフまで

6月26日(土)9:30-12:30

第4回協奏曲の系譜その2、ヴァイオリン協奏曲

華麗な楽器ヴァイオリンを独奏楽器として、さまざまな協奏曲が生まれました。有名なヴィヴァルディの《四季》は合奏協奏曲ではなく、12曲のヴァイオリン協奏曲集の第1~4番であることはご存じでしょうか。協奏曲は一般的なイメージ以上に多様でカラフルです。

合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)から、ソロ・コンチェルへ。協奏曲の系譜を知り、聴き方、選び方、楽しみ方を拡げましょう。

  • 主な作曲家♪
  • A.ヴィヴァルディ、J.S.バッハからモーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキー、プロコフィエフまで

7月3日(土)9:30-12:30

第5回変奏曲の系譜その1、バロックから古典派までの鍵盤楽器

一つの主題が次々と展開し、秩序を保ちつつ自由に表情を変えて奏でる変奏曲(バリエーション)。作曲家の創造性と個性が色濃く表れ、知られざる魅力的な一ジャンルと言えるかもしれません。

チェンバロ、オルガンから、ピアノへの変遷と楽器の発展、音楽史の象徴的存在でもあるバロックから古典派の時代の鍵盤楽器の変奏曲に注目します。代表的な作品の比較を通して、作品の個性、構造、変奏曲の持つ魅力を探求しましょう。

  • 主な作曲家♪
  • J.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》とG.F.ヘンデルの《愉快な鍛冶屋》、モーツァルトとベートーヴェン、シューマンとブラームス、比較を通して

7月17日(土)9:30-12:30

第6回変奏曲の系譜その2、オーケストラのための変奏曲

形式性と創造性、古典と前衛、変奏曲また変奏技法はクラシック音楽の系譜の象徴的存在といえるかもしれません。ベートーヴェンはじめさまざまな作曲家たちが交響曲で変奏技法を用い、独立したオーケストラ用の変奏曲を残しました。作曲家の創造性、時代の発展性、変奏曲を系譜で読み解くクラシック音楽をさらに豊かに味わいましょう。

  • 主な作曲家♪
  • ベートーヴェン交響曲第3番《英雄》、ブラームス《ハイドン変奏曲》、マックス・レーガー《モーツァルト変奏曲》、フランク、エルガー、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ブリテンなど

agoraメンバーシップは講座参加費の割引と講演会の受講券がセットになったお得な制度です。詳しい内容はこちらをご覧ください。


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