慶應MCC agora講座

田口佳史さんに問う【老荘思想と日本の文化】

老荘思想と日本の文化を探求する


【オンラインのみ】

オンライン(Zoom)のみで開催します。丸の内キャンパスでの開催はございません。


森林山岳海洋の島国である日本に、ごくごく自然な形で「神信仰」が生まれ「森の民、山の民、海の民」の暮しを支えていました。そこへ真っ先に入って来た外来思想が老荘思想であります。この事がどれほど日本の文化に貢献することになったか。「神信仰+老荘思想」という兄弟姉妹に比すべき同種でありながら、性格を異にする絶妙な両者が、その後の多彩で豊かな多種多様な日本の文化の土台・基盤となったのです。

さて、いまわれわれに求められているのは、「新しい21世紀の日本の文化」を世界に発信することです。その為には、この土台・基盤をもう一度新たな視点で再認識することが何としても必要なのです。それにより伝統を重視しつつも、誠に今日的な創造、文化的活動が巻き起こることでしょう。

是非皆さんと一緒に、新しい21世紀の日本の文化創造の為に「老荘思想と日本の文化」探求の旅に出ようではありませんか。

田口佳史

田口佳史

講師

田口佳史

田口 佳史たぐち・よしふみ

東洋思想研究家、株式会社イメージプラン代表取締役会長

大学卒業後、日本映画新社に入社。映画『東京オリンピック』ではチーフ監督を務めた。
25歳の時、バンコク市郊外の農村で撮影中、突然水牛2頭に襲われ瀕死の重傷を負うも奇跡的に生還。その入院中の老荘思想との運命的な出会いが、東洋思想研究家へと歩み出す契機となった。

「東洋思想(儒・仏・道・禅・神道を有機的に融合させた思想や哲学)」を基盤とする独自の経営思想 体系「タオ・マネジメント(東洋思想的経営論)」を構築・実践、数多くの企業経営者と政治家を育て上げてきた。社会人教育に関しては、延べ1万名(2000社)を超える提供・支援実績を有する。

「人新世(Anthropocene)」の時代に突入しており、人類の知的財産ともいえる「東洋思想」をもってその危機緩和・回避の一助を提供すべく精力的に活動中。これまで掲げてきた理念(東洋と西洋の知の融合)をより高い次元に発展させ、「21世紀に相応しい世界のあり方」を国内外に提唱するものである。関連して配信中のニュースレターは、海外でも注目を集めている。

【田口佳史ニュースレター】https://www.tao-club.net/newsletter/

主要著書


開催概要

開催形態オンライン(Zoom)
日程2022年 10/3、10/17、10/31、11/14、11/28、12/12(すべて月曜日) 全6回
時間18:30-21:00(2.5時間)
定員25名
会場オンライン(Zoom)
参加費

agoraメンバーシップは講座参加費の割引と講演会の受講券がセットになったお得な制度です。詳しい内容はこちらをご覧ください。


講座内容


10月3日(月)18:30-21:00

第1回老荘思想の真意

神信仰との特有の関係

老荘思想とは、そもそもどの様なものなのか。どの様な魅力があるものなのか。それがわが国に伝来して、待ち受けていた「神信仰(神道のそもそもの姿)」と出会い、どの様な融合と住み分けが行われ、それがどの様に日本の文化の土台・基盤となったのか。


10月17日(月)18:30-21:00

第2回老荘思想とドラマツルギー(作劇術)

世阿弥の格式とひらめき

世阿弥の創作の内側を可能な限り明らかにするために「夢幻能」の巧みな構成を探っていくと、その独特の作劇術が浮かび上ってくる。更に数多い「芸論」を読み進むと、最も効果的に主題(テーマ)を主張する方法などを学ぶことにもなり、その根源に老荘思想が実に微妙な役割を果していることを知ることになる。


10月31日(月)18:30-21:00

第3回老荘思想と蕉風俳諧

芭蕉らしさの源泉

芭蕉が芭蕉になったその時を探ることによって、蕉風の凄味の源泉にある老荘思想からの刺激がどの様に働いたのかが明らかになる。更に「紀行文」に発展した蕉風の持ち味にこそ老荘の心が明確に認められることを明らかにすることによって、“思想の反映”という創造活動の原点が浮かび上ることになる。


11月14日(月)18:30-21:00

第4回老荘思想と茶の湯の流儀

利休と織部と天心の創意

茶の湯の歴史を精神性の面から岡倉天心のガイドによって歩いてみると、そこにありありと老荘の心が活きていることがよく解かる。特に「庵りの茶」を生み出した千利休の発想の根幹には、見事に老荘の精神が見られる。更に古田織部の“ひしゃげ”の心こそ荘子の主張に他ならない。点前の所作の一つ一つから、茶の湯の作法の流れの中には、要所要所に老荘思想から受けた発想が活きている。


11月28日(月)18:30-21:00

第5回老荘思想と無常の切実

文芸に語られる日本らしさ

中世文芸を細かに訪ねて、そこに老荘思想が言葉や語りの世界に強い刺激を与えたことが理解される。分けても「無常観」こそが老荘思想の持つ重要な特性の表明でもある。数々の文芸作品の中に活き活きと生き続けている老荘の精神を訪ねる。


12月12日(月)18:30-21:00

第6回老荘思想とレジリエンス

デザインの無限性

経済活動も人間の活動であるから文化活動ともいえる。いやもっと文化性を持つ必要があるのではないか。その鍵はデザインだ。商品や事業デザインにも老荘思想は充分に影響を与えている。いやむしろバーチャル・リアリティやメタバースを見ると老荘思想そのものといえる。新商品、新事業に如何に老荘思想を活かすかを考える。


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