思えば私はずっとずっとおもしろい小説ばかりを読んできた。おもしろい小説を探してきた。それを拾って皆さんに紹介し、語り合ってきた。
落ち穂が散っているようだ。
おもしろさは人それぞれ、ちがっているが、それを読みあい、語り合あい、訪ねてみよう。理解が生じ、人間の発見があり、新しい創造のもといとなる。ここにアゴラがある。
作家として900編を超える小説を書き続け、人間、人生、ユーモアや恐怖を見つめるとともに、長きにわたり直木賞選考委員や日本ペンクラブ会長を務めてこられた阿刀田さんならではの視点、知見、経験とともに小説をじっくり味わいます。
自分では選ばなかった小説に出会い、味わう。小説を通じて語り合い、様々な人間や人生を知る。小説を思いっきり楽しむ大人の読書会です。「読書は大人の喜びだなとわかりました」「今頃ですが本好きになってきました。成長もしています」等の好評を受けての開催です。
昭和10年(1935年)東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業後、11年間、国立国会図書館に勤務。その後軽妙なコラムニストとして活躍しながら、短編小説を書き始め、昭和54年『来訪者』で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞を、平成7年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。ユニークな短編の書き手として知られる。また、エッセイとして『知っていますか』シリーズ、小説『闇彦』、『知的創造の作法』、『私が作家になった理由』、『小説作法の奥義』など多数。
国語政策への寄与などに対して2003年紫綬褒章、2009年旭日中綬章受章、2018年文化功労者顕彰。日本ペンクラブ第15代会長、1995年から2013年まで直木賞選考委員、2012年から2018年3月まで山梨県立図書館館長を勤めた。
開催形態 | ハイブリッド開催(対面(キャンパス)、オンライン) |
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日程 | 2025年 10/4(土)、11/1(土)、12/7(日)、2026年 1/11(日)、2/7(土)、3/7(土) 全6回 欠席時は録画映像の視聴が可能です。 |
時間 | 14:00-17:00(3時間) |
定員 | 25名 |
会場 | 慶應丸の内シティキャンパス/オンライン |
参加費 | 110,000円(税込) 割引制度・キャンセル規定 |
お問い合わせ | 担当:湯川 03-5220-3111 個別相談 資料請求 |
第1回 10月4日(土)14:00-17:00(3時間)
ユニークな記載の筆致を垣間見てみよう。その人柄を想像してみよう。
第2回 11月1日(土)14:00-17:00(3時間)
あなたが劇場にいる。あなたが演じている。いや、演出をしているのだ。
第3回 12月7日(日)14:00-17:00(3時間)
岸田国士の訳もすばらしい。あなたもこんな博物誌を創ってみたら、いかが。小さな日記のように。
第4回 1月11日(日)14:00-17:00(3時間)
巧みな犯罪とそれを解く名探偵。謎解きとしても遜色がない。
第5回 2月7日(土)14:00-17:00(3時間)
この三作に共通するものはなにか。わかりますね。それぞれにおもしろく、わかるとさらにおもしろい、かな。
第6回 3月7日(土)14:00-17:00(3時間)
古代ヨーロッパ史に関心を抱いたときから、ハンニバルに憧れていた。「もしハンニバルがローマに勝っていたら世界の歴史はどう変わっていたか。」 しかし・・・小説家になりハンニバルを書きたいと思ったが、日本人がヨーロッパの古代を小説化するのはとてもむずかしい。ハンニバルを好む男女を登場させたのは一つのアイデアだった。恋愛のかけらも入り、往年の思案にも小さな答えを見出した。苦心の作である。