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慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)は慶應義塾の社会人教育機関です

慶應MCC
井手英策

ポストモダン、ポスト冷戦、ポスト戦後日本・・・私たちは、<いま>を「~以後(=ポスト)」という区切りで表現しがちです。では、歴史は断絶しているのでしょうか?そんなことはありません。時に過去のシステムが形を変えて生き残り、時に前近代的と一蹴されていたものが再来するなかで、小さな変化が堆積していくのが現実です。

本講座では、過去の否定形として<いま>を語るのではなく、人びとの生きづらさと向き合うフロントランナーのみなさんから最前線で起きつつある現実を学び、彼らが過去の何をどう活かして、いまをどう変えていこうとしているのかを考えます。未来を私たちの言葉で語り、定義することが本講義のねらいです。

井手英策

進め方

過去の否定によって<いま>を語るだけでは、未来を切り開くことはできません。これまでの歴史や見出された理論に学び、小さな変化の堆積により変わる<今>を見定め、誰もがより良く生きるために必要な一歩を踏み出すことが肝要です。「ソーシャルワーク」、「教育」、「法(命)」、「若者と政治」といった多彩な領域で、明るい未来のために他者と連携し、力強く歩みを続けるフロントランナーとともに、私たちがそれぞれの立場でできることを探索してみたいと思います。

おすすめする方

  • 日本が抱える諸問題について理想と現実の双方から多面的に考えたい方
  • 未来のために力強く歩み続ける各界のフロントランナーの肉声を聴いてみたい方
  • 過去の否定形ではなく、私たちの言葉で未来の社会のあり方を語り、定義したい方

講師

井手英策

井手 英策 いで・えいさく

慶應義塾大学経済学部 教授

1972年福岡県生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。日本銀行金融研究所に勤務。その後、東北学院大学、横浜国立大学などを経て、現職。専門は財政社会学、産業社会学。総務省、全国知事会、全国市長会、日本医師会、連合総研等の各種委員のほか、小田原市生活保護行政のあり方検討会座長、朝日新聞論壇委員、毎日新聞時論フォーラム委員なども歴任。2015年大佛次郎論壇賞、2016年慶應義塾賞受賞。

著書

  • ベーシックサービス(小学館新書)
  • 経済の時代の終焉(岩波書店)
  • 分断社会を終わらせる:(筑摩書房)
  • 財政から読みとく日本社会(岩波ジュニア新書)
  • 富山は日本のスウェーデン(集英社新書)
  • 欲望の経済を終わらせる(集英社インターナショナル)
  • どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?(小学館)

開催概要

開催形態 ハイブリッド開催(対面(キャンパス)、オンライン)
日程 2024年 10/26、11/30、12/21、2025年 1/11、2/22、3/15(すべて土曜日) 全6回
欠席時は録画映像の視聴が可能です。
時間 14:00-17:00(3時間)
定員 25名
会場 慶應丸の内シティキャンパス/オンライン
参加費 110,000円(税込)
割引制度・キャンセル規定
お問い合わせ 担当:鈴木
03-5220-3111  個別相談 資料請求

講座内容

第1回 10月26日(土)14:00-17:00(3時間)

<プロローグ>ポストsomethingが抱える意味と向き合う

私たちが未来を語るとき<ポスト>という表現を使う。だが、<今のあと>では何も未来を語ったことにはならない。第1回は、戦後日本の福祉国家の根底にあった思想を問い返しながら、<何を変えるべきなのか>を考えていく。

第2回 11月30日(土)14:00-17:00(3時間)

人とつながり、まちを元気にする

政府による行政サービスだけでは、一人ひとりの生きづらと向き合うことはできない。マイナスをゼロに戻す社会保障を超えて、マイナスをプラスにかえ、各人が<今日よりも素晴らしい明日>を構想する自由を手にするための条件は何なのかを探る。

ゲスト講師 加藤 忠相(株式会社あおいけあ代表取締役)

第3回 12月21日(土)14:00-17:00(3時間)

笑顔と共生のための教育

戦前の教育は国民の養成が、戦後の教育は生産性の高い労働者の育成が重要な課題だった。歴史の転換点、とりわけ<共生>が求められる時代にあって、教育はいかなる目的を追求すれば良いのか。多様性を重んじる時代、地域が担い手となる時代の教育のありかたを問う。

ゲスト講師 白井 智子(社会起業家/株式会社こども政策シンクタンク代表取締役)

第4回 1月11日(土)14:00-17:00(3時間)

若い世代なくして日本はない

若者の保守化が叫ばれて久しい。だが、思想的な偏りの問題だけではなく、<現状肯定>という名の諦めが、とりわけ政治の世界で、若い人たちの間に蔓延しつつある。こうした閉塞状況を打開していくための実践とその可能性について議論する。

ゲスト講師 能條 桃子(NO YOUTH NO JAPAN代表理事 FIFTYS PROJECT代表)

第5回 2月22日(土)14:00-17:00(3時間)

社会の一隅に「あかり」を灯す

基本的人権のひとつ<生存権>の理念を現実の制度に反映させたのが生活保護である。ところが、生活保護による生存保障機能が弱体化し、国を相手にした訴訟・違憲判決が相次いでいる。弱い立場に置かれた人たちの権利保障はどうあるべきかを考える。

ゲスト講師 小久保 哲郎 (あかり法律事務所 弁護士)

第6回 3月15日(土)14:00-17:00(3時間)

<エピローグ>未来像を私たちの言葉で語ろう

これまでのセッションで学んだ理論と現実を振り返りながら、ポストsomethingではなく、私たちの思想、私たちの言葉で、来るべき日本社会の未来を構想する

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