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慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)は慶應義塾の社会人教育機関です

慶應MCC
菊澤研宗

世界で語られるイノベーション論について、クリティカルに考え、本質を見極める

バブル崩壊後の30年間、日本企業にとって「イノベーション」は最重要課題のひとつとして位置づけられてきました。数多くのイノベーション論が提唱され、試行錯誤の中で多くの理論が実践に取り入れられましたが、いくつかは期待通りに機能せず、下火となったものも少なくありません。それでもなお、イノベーションは企業成長にとって欠かせない要素です。

本講座では、過去に提唱された主要なイノベーション論をクリティカルに分析し、その実践的意義と限界を議論することで、真に有効なイノベーションの本質を明らかにしていきます。

菊澤研宗

講座の進め方

講師による講義と、事後課題の共有・ディスカッションを中心に進めます。課題は各回の設問にしたがって自分なりに考えをまとめてみてください。講師からのフィードバックやクラスディスカッションによって、より考えを深めます。
各回の参考図書を事前に読む必要はありません。講座終了後、関心に合わせて手に取り、理解を深めていただければと思います。

おすすめする方

  • イノベーションについて深く思索し、議論したい方
  • 経営者・リーダー・新規事業開発や企画部門の担当者
  • 経営学の理論やトレンドに関心のある方

講師

菊澤研宗

菊澤 研宗 きくざわ・けんしゅう

慶應義塾大学名誉教授、城西大学大学院経営学研究科長

1986年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。防衛大学校教授、中央大学大学院国際会計研究科教授を経て2023年3月まで慶應義塾大学商学部教授。その間、ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員(1年間)、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員(2年間)として在外研究に従事。専門領域は経営学、組織の経済学、比較コーポレート・ガバナンス論、ダイナミック・ケイパビリティ論。

主要著書

  • 戦略の不条理-変化の時代を生き抜くために(中公文庫)
  • 指導者(リーダー)の不条理 組織に潜む「黒い空気」の正体(PHP新書)
  • 命令の不条理-逆らう部下が組織を伸ばす(中公文庫)
  • 改革の不条理(朝日文庫)
  • 組織の不条理-日本軍の失敗に学ぶ(中公文庫)
  • ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論(中央経済社)

開催概要

開催形態 ハイブリッド開催(対面(キャンパス)、オンライン)
日程 2025年 5/10、5/24、6/7、6/21、7/5、7/19(すべて土曜日)
欠席時は録画映像の視聴が可能です。
時間 14:00-17:00(3時間)
定員 25名
会場 慶應丸の内シティキャンパス、オンライン(Zoom)
参加費 110,000円(税込)
割引制度・キャンセル規定
お問い合わせ 担当:米田
03-5220-3111  個別相談 資料請求

講座内容

第1回 5月10日(土)14:00-17:00(3時間)

オープンイノベーション

オープンイノベーションとは、企業内外のアイデアや技術を広く活用してイノベーションを創出する方法であり、ヘンリー・チェスブロウによって提唱されました。グローバル競争で優位に立つため、今日、多くの企業が重要な戦略として採用しています。
このようなオープンイノベーションの方法は本当に有効なのか、果たして実行可能なのかについて批判的に議論します。

参考書籍『OPEN INNOVATION ―ハーバード流イノベーション戦略のすべて』ヘンリー・チェスブロウ(著)、大前恵一朗(訳)、産能大出版部

第2回 5月24日(土)14:00-17:00(3時間)

ソーシャルイノベーションと社会的価値の創造

ソーシャルイノベーションとは、社会的な課題を解決するための新しいアイデア、製品、サービスを生み出すことを意味します。単に技術革新やビジネスモデルの変革にとどまらず、社会全体にポジティブな影響を与えることを目的としたイノベーションです。
持続可能な社会を形成するために、どのようにしてソーシャルイノベーションを起こすことができるのか、批判的に議論します。

参考書籍『スタンフォード ソーシャルイノベーション レビュー Vol.1』収録 ヨハンナ・マイヤー他の論文「オープン・ソーシャル・イノベーション」、SSIR Japan

第3回 6月7日(土)14:00-17:00(3時間)

ユーザー・イノベーションと顧客参加型の発想法

ユーザー・イノベーションとは、消費者自身が日々の生活の中ですでに問題を解決しており、それをヒントにして新しい商品や製品を開発する方法のことです。この考えによると、新製品の開発プロセスにおいて、積極的に消費者を巻き込んで開発が進められることになります。
果たしてユーザー・イノベーションの方法は有効なのかどうか。これについて、批判的に議論します。

参考書籍『ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来』小川進(著)、東洋経済新報社

第4回 6月21日(土)14:00-17:00(3時間)

リバース・イノベーションと新興国発のビジネスモデル

従来、まず先進国で新製品や商品が販売され、成功すると、発展途上国でも販売されるという流れが一般的でした。これに対して、新興市場や発展途上国で生まれた革新的な技術や製品を先進国に逆輸入してイノベーションを起こそうとする方法がリバース・イノベーションです。
このようなリバース・イノベーションの方法が果たして有効なのかどうか、批判的に議論します。

参考書籍『リバース・イノベーション』ビジャイ・ゴビンダラジャン(著)、クリス・トリンブル(著)、小林喜一郎(解説)、渡部典子(翻訳)、ダイヤモンド社

第5回 7月5日(土)14:00-17:00(3時間)

リーン・スタートアップの手法と実践

リーン・スタートアップとは、スタートアップ企業が迅速に市場に適応するための手法であり、無駄を最小限に抑えつつ、製品やサービスを改善していくアプローチです。リソースが限られているスタートアップ企業にとって、効率的に成功を目指すための有効な手法として広く採用されています。このようなリーン・スタートアップの手法は大企業にも適用可能なのか、その可能性と課題について批判的に議論します。

参考書籍『リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』エリック・リース(著)、井口耕二(翻訳)、伊藤穣一(解説)、東洋経済新報社

第6回 7月19日(土)14:00-17:00(3時間)

多様なイノベーション論と総括

本講座で取り上げた各種イノベーション論(オープンイノベーション、ソーシャルイノベーション、ユーザーイノベーション、リバース・イノベーション、リーン・スタートアップ)を総括し、実践における成果や課題を振り返りながら、現代の企業にとって真に有効なイノベーションの方法とは何かを考察します。また、各理論が持つ限界や、今後必要とされる新たなアプローチについても皆さんと議論を深めたいと思います。

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