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渋沢栄一は明治を代表する実業家で、多数の企業・団体の設立・経営に関わったことから“日本の近代資本主義の父”と評される人物です。『論語』は二千年以上前に編まれた儒家思想の経典で、最も有名な中国古典といえます。
生涯を通して「道徳と経済の合一」を説いた渋沢の思想と行動は、『論語』に代表される儒家の経典を自らの血肉となるまで徹底的に読み込み、確立したものだと言われています。
本講座は、渋沢栄一を意識しながら、現代日本の企業社会で求められているダイナミズムとクリエイティビティの重要性を『論語』の中に探索していきたいと思います。
孔子は、春秋時代(紀元前6世紀)の中国の思想家で、儒家思想の始祖と言われています。『論語』は、孔子の死後、その弟子たちが400年かけて編纂した孔子と弟子たちの問答集です。中国のみならず日本の社会や文化の形成に大きな影響を与え、現代にまで読み継がれています。
渋沢栄一が著した『論語と算盤』は、百年前の書籍ではありますが、社会性の追求と経済性の追求は相反するものではない、という思想に貫かれている点で、きわめて現代的です。渋沢が論語の中に見い出したものを考えることで、社会に開かれた存在としての企業、社会の問題を解決するための起業、といった今日的課題を浮き彫りにします。
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4月8日(月)18:30-21:30
幕臣として明治維新に遭遇し、官僚、実業家として日本の近代化に大きな功績を残した渋沢栄一の生涯をたどります。特に、幼児期から四書五経を学び、儒家思想を骨の髄まで染みこませた彼が、近代化にあたってその精神をどう具現化していったのかを確認します。
4月22日(月)18:30-21:30
立志と学問は、論語の中で主要な論点のひとつです。大きな志を立て、自分を磨くことの重要性、学んだ知識を実践に移し、自分のものとするまで習熟することの意義等々、三千人の弟子を育てたと伝えられる孔子の人材育成論に触れます。
5月13日(月)18:30-21:30
人間関係の問題は、孔子の時代から現代に至るまで多くの人々が直面してきた悩みです。人とどう付き合うか、人間をどう見抜くか、裏切りからどうやって立ち直るか等々、共に苦労人であった孔子と渋沢の心境に思いを寄せてみます。
5月27日(月)18:30-21:30
健全な競争は、努力の質を高め、創意工夫のもとになります。しかし、勝つこと、執着することが当初の目的を見失わせ、道を違えてしまうこともあります。真の競争とは、他者との競い合いではなく、自分自身に潜む「内なる敵」との戦いとも言えるでしょう。最後まで自己を見失うことなく、最善を尽くすことの大切さを理解します。
6月10日(月)18:30-21:30
『論語と算盤』は倫理観を持った経営を謳った書籍であるという考え方がありますが、それは一面に過ぎません。渋沢が論語の中に見いだした「道徳」は、もっと躍動的で創造的な概念を含んでいます。社会のために自己の最善を尽くし切ることで実現する豊かな経済社会に思いを巡らせます。
6月24日(月)18:30-21:30
現代社会ほど、幸せの意味を問われている時代はありません。多くの人々が飽食と消費に疲弊し、富や出世に執着することを嫌悪しながら、その呪縛から抜けられないでいます。私達は何を求めて生き、人生を通じて何を得ようとしているのでしょうか。
総まとめとして、人生の成功とは何かを議論します。
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